フォーミュラニッポン 第９戦 鈴鹿サーキット 300km Race 2007.11.17-18
いよいよ2007年フォーミュラニッポンも最終戦。決戦の地は鈴鹿。
シリーズチャンピオンの権利を有するのは、ポイント45点でランキングトップのトレルイエ、4ポイント差で並ぶ小暮、松田の3選手のみ。トレルイエが勝てば、史上初のフォーミュラニッポン2年連続チャンピオンです。
最終戦が三つ巴になるのは、2004年のリチャード・ライアン VS アンドレ・ ロッテラー VS 井出有治 決戦以来。
あの時はインパル星野監督が姑息なチームオーダーを発令せず、すばらしい真っ向勝負を見せてもらえました。
今回もそんなすばらしいレースを期待しつつ、気合を入れて鈴鹿へ。 週明けのSAF1☆ARTA FESTAまで、たっぷり楽しむつもりです。
IRLトニー・カナーンの参戦も今回の目玉の一つ。こうした予期せぬスター選手のスポット参戦は大歓迎です！
パドックでは彼の周りにサインを求めるファン（もちろん自分も） が群がり、大人気。もてぎ以外のサーキットで、それもセブンイレブンカラーを身につけていないカナーンに会うのはとても新鮮で、ちょっと不思議な感覚です。
彼のヘルメットを連想させるメタリックブルー＆レッドを施した KANAAN RACING のマシンは思いのほかカッコよく、はじめての鈴鹿サーキットでどんな走りを見せてくれるのか、決勝へ期待が膨らみます。
予選・決勝はヘアピン席から。決勝朝のフリー走行のみ、ピット上ホスピタリティブースからの撮影です。
両日ともフォーミュラニッポンらしくない好天に恵まれ、これで見納めになる今年のカラーリングのマシンを思う存分撮影することができました。
機材はいつもの EOS KISS DIGITAL N と EF100-400mm/4.5-5.6 L IS、エクステンダーEF1.4×Ⅱ。2005年の夏に買った愛機KISSは酷使しているせいか、角のつや消し塗装がハゲ始め、だいぶ年季が入って見えるようになりました。EF100-400もわずかに白い表面塗装がはがれ、金属地がのぞいている所が。 そろそろ点検・オーバーホールが必要な時期かもしれません。
ヘアピン席内をあちこち移動し、微妙に角度を変えて撮ってはみるものの、結局落ち着くのはいつもとほぼ同じ場所。
「できるだけ低い視点で」 「コーナーの脱出を斜め前方から」 「背景に縁石と芝生が入るように」 「わずかに傾けて｣「ほんの少し路面が流れるくらいのシャッタースピードで」 まさにカタログ的な写真、プログラムのマシン紹介的な写真が量産されるのですが、そうした写真が大好きなのでこればかりは仕方ありません。
予選はまたしても、小暮卓史がポールポジション。3戦連続、今シーズン4回目！いつもは大きく回りこむような彼のコーナーリングラインが、今回はかなり小回りにタイトなラインに変わっていたのが印象的でした。それにしても速すぎます。2番手はチームメイトのデュバル、PIAA NAKAJIMA の1-2です。
3番手に、アラビアンオアシス 本山哲。残念ながらチャンピオンの可能性はなくなってしまいましたが、本山らしい走りで有終の美を飾ってほしい！
日曜日、今日も快晴。朝のフリー走行をアラビアンオアシスのピット上で撮った後は、のんびりヘアピン席に向かいました。
そして、決勝。
抜群のスタートを決めた4番手のトレルイエが本山とデュバルをオーバーテイク、トップを行く小暮を追いかけます。
松田は金石とヘアピン目の前で接触し、一時14位まで順位を落とします。弾き飛ばされたARTAのマシンで、一瞬ファインダーの視界がオレンジ色になったのには焦りました・・・。
2位の順位を守ることができればチャンピオンが決定するブノワ・トレルイエ。
チームメイトの援護のためにもオーバーテイクが必要なロイック・デュバル。
お互い譲れない二人のバトルはピットストップ後も延々続き、ついに33周目の130Rであろうことか接触、クラッシュ・・・。
ライバルが消えた小暮は圧倒的な速さでトップチェッカー。2位に本山、3位ロッテラー。カナーンは徐々に順位を上げ、7位でゴール。
F1のライコネンを思わせる大・大逆転劇。新チャンピオンの誕生です！
早めにヘアピン席から移動を始め、チェッカーはグランドスタンドで。その後は息を切らしてパドックへ。なんとか表彰台下にたどり着き、ウィニングラン直後、歓喜の小暮選手を間近で撮ることができました。おめでとう小暮選手！
スパークリングファイトを見終わった後は、フラワーガーデンホテル内で行われる恒例のシーズンエンドパーティーに出席。
が、予定の時刻を過ぎてもなかなか始まる気配がありません。
手持ち無沙汰で会場をひょいと出たところ、F1イギリスGPでツアーが一緒だった佐藤琢磨ファンの同志3人と偶然再会！みんな元気そうでなにより。ホントビックリしました！
そうこうするうちに、驚愕の出来事が。いきなりパーティー会場内に「小暮失格」のアナウンスが流れ、会場全体がざわめきました。
あの表彰台は幻だったのか・・・。ほどなくパーティーが始まり、JRP会長である中嶋監督から失格の経緯と謝罪の言葉が・・・。
小暮選手は口を硬く閉じ、今までに見たことの無い表情。正式にチャンピオンが決定した松田選手も表情は硬く、なんとも言えなさそうな感じです。挨拶を終えた中嶋監督から何かしら声をかけられた小暮選手は、目に涙を浮かべているように私には見えました。
なんという後味の悪いシーズンの幕切れでしょう。
ファンである本山選手の繰り上がり優勝、鈴鹿3連勝も素直に喜ぶことができず、なんともやりきれない複雑な気分で会場を後にしました。レギュレーション違反は決して許されないことですが、この日の彼の速さに圧倒されたフォーミュラニッポンファンの多くはこう思ったはずです。
「小暮選手、君こそが勝者である｣と。
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