フォーミュラニッポン 第2戦 鈴鹿サーキット 2008.5.9-11
これまで幾度となくチャンスがありながら、勝利の女神が微笑んでくれなかった鈴鹿サーキット。
5ZIGEN時代、予選2番手からスタートを決めトップに躍り出るも、インパル井出有治の燃費走行に逆転され、2位フィニッシュ。
その年の最終戦、念願のポールからスタートしたものの、オープニングラップで順位を落とし、早めに入ったピットストップではまさかのタイヤ交換ミスで大きく後退・・・。
最強チーム・インパルに移籍した後も、何度も予選でポールポジションを獲得しながら、ノーストップ組に逆転されたり、赤旗再スタートで割を食ったりと、なぜか運に見放され勝てないレースばかり・・・。
表彰台の下段に立つ度に、その悔しさを隠そうともせず虚空を睨みつけていた彼、LAWSONチームインパル・松田次生選手に、意地悪で気まぐれだった女神が今回ようやく微笑んでくれました。
どんより曇った金曜練習走行日の午後、まだ閑散としているパドックに到着し、まずは腹ごしらえとドライバーズサロンに向かっていると、「ドライバーの皆さんは・・・集合写真・・・お集まりくだ・・・。」と、何やらおもしろそうな放送が。
ちょうど控室から出てきた小暮選手にサインをもらいつつ後をつけていくと、着いた先はS字近くのブリヂストンのタイヤサービススペース。どうやらブリヂストンタイヤの宣材撮影らしく、建物2階の窓際にはカメラマンがスタンバイし、その真下には「松田」「本山」と立ち位置がテープに記されて貼られています。
そうこうするうちに、案の定一人また一人と、ドライバーズスーツに身を包んだフォーミュラニッポンドライバーの面々が、集まり始めました。前回の富士での集合写真といい、ドライバー全員とこうして再び遭遇できるとは、何という幸運！
ドライバー達はみんなリラックス＆談笑モード。本山選手が立ち位置用のテープを小暮選手の背中に貼り付けるイタズラを始めたり、クインタレッリのおどけたポージングに一同大爆笑だったり、全員集合かと思いきや「立川がまだ来てません！」の声が上がったり、まるでどこかの学校の修学旅行撮影のような和やかさです。
自分を含めた周りのギャラリーもつられて大笑い。真剣だったのは2階のカメラマンだけだったような気がします。
あっという間に撮影は終了。いったいどんな写真に仕上がるのでしょうか。思いがけずドライバー達の素顔を垣間見れ、楽しいひと時を過ごすことができました。
金曜午後＆土曜午前の練習走行と、日曜決勝はおなじみのヘアピン席から。予選と決勝朝のフリー走行はピット上のホスピタリティブースからの観戦＆撮影です。
土曜はあいにくの悪天候。ヘアピン席では上下ゴアテックスに防水シューズ、EF100-400のレンズフードにビニール袋をぐるりと貼り付けて完全防備。前日、気持ち悪いほど大量発生していた赤い小さなタカラダニもこの雨で身を潜め、ひと安心。
練習走行は30分と短かったものの、今年はじめてのウェットセッション。各車ウェットセットを煮詰めるべく、豪快に水煙を上げながら、精力的に走行を続けてくれました。
2：30予選開始。雨脚の強まる中、絶好調だったのは＃1 LAWSONインパル 松田次生。
Q2こそ＃4 KONDO RACING オリベイラにトップを譲ったものの、Q1・Q3と他を圧倒する走りでポールを獲得。
2番手にはオリベイラ、3番手にはチームメイトのトレルイエ。復調が期待された小暮卓史は8番手、本山哲は9番手からのスタートに。
ホスピタリティブースでの予選観戦は快適そのもの。大雨に濡れずに済んだのはもちろん、刻々と書き換えられるラップチャートをモニタリングできたため、セッションの展開が手に取るようにわかり、新予選を思いのほか楽しむことができました。
予選終了後には、ポール獲得直後の松田選手と、これまた富士に続いて運よく遭遇。ナンバーワンポーズの写真をお願いしたところ、笑顔で応じてもらえました。明日もがんばれ！松田選手！
翌日曜日になると急速に天候が回復し、前日の大雨が嘘のように青空の広がる絶好のレース日和に。
ヘアピン席も多くの観客で予想以上の賑わい。意表をついた尺八！による国家吹奏を聞き終え、スタートの瞬間を待ち構えます。
ポールからスタートの＃1 松田はオープニングラップこそトレルイエに迫られたものの、後方を引き離す余裕の走り。
オリベイラとストレイトが接触し後退した後は、好スタートを切った本山哲、ロッテラー、小暮卓史の4番手争いが熾烈を極め、場内実況ピエール北川氏もこのクリーンなバトルを大絶賛！
20周目のセーフティカー導入でピットインが遅れ大きく順位を落としたトレルイエが、怒涛の追い上げを開始。前車に追突寸前のブレーキングを何度も披露し、ひさしぶりに彼本来の獰猛な走りを魅せてくれました！
平手VSロッテラー、本山VS小暮、伊沢VSデュバル、そこかしこで接近バトルが繰り広げられる展開に後ろ髪を引かれつつ、表彰式に間に合うように移動をはじめ、130Rからシケイン、グランドスタンドが近づく頃に、あろうことかオリベイラのクラッシュによる2度目のセーフティーカー導入のアナウンスが・・・。鈴鹿の女神は何故彼にこれほどの試練を与えるのか。
せっかく築いてきたマージンが再びなくなり、レースは残り数周にして、インディカーを思わせるドキドキの展開に。
鈴鹿0勝のジンクスを吹き飛ばす見事なリスタートで、松田がそのままトップチェッカー！
悲願の鈴鹿初勝利を圧勝で決め、開幕戦に続き連勝！2位には2戦目にして初表彰台の平手、3位にはロッテラー、本山が小暮とのバトルを制し4位入賞。前戦で不安視されていたパドルシフトのトラブルもなく、実に後味のいい素晴らしいレースを見せてもらえました。
閑話休題。
土日は恒例のEnjoy HONDAが併催され、グランプリスクエアにはBARをはじめとする歴代F1マシンが展示されるなど、会場はホンダ一色だったのですが、折りしもスーパーアグリのF1撤退発表直後ということもあって、気分は複雑・・・。
「いつか、この鈴鹿で表彰台に！」
わずか半年前にこの同じグランプリスクエアで開催されたSAF1☆ARTA FESTAでの、鈴木亜久里代表＆佐藤琢磨選手のトークショーが思い出され、しばし胸の詰まる思い・・・。
まさかシーズンの途中で、佐藤琢磨のF1での走りを見ることができなくなるとは・・・。
ホンダを一方的に悪者扱いするつもりはないのですが、こんな中途半端な形でなく、せめてこの1年だけでもスーパーアグリへの支援が続けられなかったものなのか・・・ホンダの申し子、佐藤琢磨をこのまま放り出しておくつもりなのか・・・非常に悔しく、残念でなりません。
笠原れいかさん・ 美咲由花さん・ 赤瀬ちかさん・杉咲亜津沙さん
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