フォーミュラニッポン 第6戦 ツインリンクもてぎ 2008.8.8-10
昨年終盤の流れからして、群雄割拠の混戦になると思われた2008年シーズンが、蓋を開けてみればLAWSONチームインパル 松田次生選手の一人勝ち状態。ライバルと目されていた小暮卓史、ブノワ・トレルイエらもここまでまったく歯が立たず、かろうじてアンドレ・ロッテラーがポイントを地道に重ねて追いかけてはいるものの、松田の後姿は遥か彼方へ。
聞けば今回のレースで松田が連勝して2位のロッテラーがノーポイントに終わった場合、早くもタイトルが決定してしまうとのこと。
2年連続戴冠は時間の問題とは言え、ここはライバル勢のなりふり構わぬ反撃に期待して、一矢報いてもらいたいところです。
北京オリンピック開幕に日本中が沸くなかで始まったフォーミュラニッポン第6戦は、真夏のもてぎラウンド。鈴鹿に続いて2戦目の2レース&リバースグリッド大会です。
決勝日。早朝の盛岡行き東北新幹線に乗り込み宇都宮駅へ。サーキット行きのJRバス乗り場には既に大行列・・・にもかかわらず到着したバスは席数の少ないノンステップバス、それも1台のみ。当然席には座れず、窓外には積み残される乗客の姿も。
満員バスに揺られること90分、サーキットに到着するころには既にグッタリ・・・。なんとか気を取り直し、朝のフリー走行を終えたドライバーからサインをもらおうとパドックのピット裏に向かうと、タイミングよく松田選手と遭遇。GT菅生を欠場するほどだった風邪も完治して元気いっぱい！と思いきや、ケガでもしているのか足を引きずっている様子。決勝2レースに向けて、ちょっと心配な感じです。
今回の選手紹介は、一人一台クラシックカーに乗ってのF1式ドライバーズパレード。めったにない粋な企画に期待して、どこから撮ろうか悩んだ結果、無難にグランドスタンドで待ち構えてみたのですが、これが大失敗。完全にルートを読み間違え、パレードはロードコースを周回後そのままピットロードへ・・・観客の待つスタンド前に戻って来ることはありませんでした・・・。
午前中は雲が多く、この時季にしては過ごしやすいコンディションだったものの、第1レースのコースインの頃から真夏の太陽が顔を出し始め、気温は30℃近くまで上昇。念のため熱中症対策に持参したブロックアイスが今回も役立つことに。
撮影はおなじみヘアピンコーナーから。EF100-400mmを目いっぱい伸ばし、シャッタースピード１/160〜125、ヘアピンを立ち上がってくるマシンが縁石を離れる瞬間を、置きピン＆手持ちで狙いました。
第1レース。ポールからスタートの＃1松田次生はトップのまま1コーナーへ。一方、2番手＃32小暮卓史は完全に失速・・・。
9番手スタートの＃7本山哲は＃47クインタレッリと3コーナーで接触、フロントウイングを失い緊急ピットイン、最後尾まで順位を落とすことに・・・。
15周目の5コーナーで、8番手を走る＃56伊沢拓也のインに切り込んだ＃20平手晃平が、右リアタイヤに乗り上げ、大クラッシュ！
鈴鹿の第2レースに続いての、マシンが宙を舞う大事故の発生・・・かなりイヤな感じの負の連鎖です・・・。
このアクシデントによるセーフティーカーラン中にタイヤ交換を行った本山は、最後尾から怒涛の追い上げを開始。第2レースポールポジションとなる8位には一歩届かなかったものの、久々に彼らしい力強い走りを見せてもらえました。
25周目、2番手まで順位を上げていた＃31ロイック・デュバルが、90度コーナーでフルブレーキング、松田をインから見事にオーバーテイク！デュバルは松田との差を広げ、そのままトップチェッカー！2位に松田、3位にオリベイラという結果に終わりました。
続く第2レースでは、ポールスタートの＃41土屋武士がエンジンストール。千載一遇の優勝チャンスをまたしても逃すことに・・・。
＃37荒聖治がトップチェッカー。スタートで順位を上げた松田が2位、オリベイラが連続表彰台となる3位に。
この結果、2レースともノーポイントに終わったアンドレ・ロッテラーにロイック・デュバルが追いつき、同ポイントの2位。
松田次生はシリーズポイントを73にまで伸ばし、次戦富士でわずか3ポイントを獲得すれば、史上初2年連続シリーズチャンピオン決定というところまで辿り着きました。
鈴鹿に続いて行われたリバースグリッド制の第2レース。やっぱりどう考えても、おかしなレースです。ポイント＆賞金がかかっているとはいえ、自分にはエキシビションレースにしか思えず、見ていてどうにも力が入りませんでした。
予選で速かったマシンが前からスタートし後続に抜かれまいとがんばる、下位に沈んだマシンは死に物狂いで追い上げる。そこに思いもよらないドラマや演出しえない感動が生まれるのであって、GP2のような育成カテゴリーならまだしも、「日本一速い男決定戦」 と銘打たれたフォーミュラニッポンのレースに、作為に満ちたリバースグリッドは似つかわしくない、あらためてそう感じたもてぎラウンドでした。
赤瀬ちかさん・青木未央さん・美咲由花さん・山咲みりさん
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