ＳＵＰＥＲ ＧＴ 第1戦 鈴鹿サーキット SUZUKA GT300km 2008.3.14-16
公式合同テストから2週間。いよいよ待ちに待ったスーパーGT、2008年シーズンの開幕です。
GT開幕戦の観戦＆撮影に出かけるのは、2006年以来 2年ぶりのこと。あの時は、小雪舞う寒さの中、NSX優勢との大方の予想を覆すレクサスの好走が観客を沸かせ、結果、TOYOTA・NISSAN・HONDAの 3メーカーがポディウムを分け合う、おもしろいレースを見せてもらえました。今回もそんな記憶に残るすばらしいレースになることを期待しつつ、練習走行の行われた金曜日午後から鈴鹿に向かいました。
今回の主役はなんと言っても、これがデビューレースとなる日産GT-R。右を向いても左を向いても、話題のすべてがGT-R一色。
グランプリスクエアには歴代GT-Rの展示があったり、パレードがあったりで、まるでNISMOフェスティバルに来てしまったかのような雰囲気です。
果たして、日産GT-Rは前評判どおりに300kmの長丁場でその力を発揮できるのか？2009年規定を先取りして手に入れたその速さに死角は無いのか？一方、それを迎え撃つHONDA ＆TOYOTA勢が黙っているはずも無く、どういった秘策を打って出るのか？昨年のチャンピオンマシンNSXは、一律に課せられた50kgという厳しいウエイトハンデを克服できたのか？
期待に胸膨らませ、3日間ともおなじみヘアピンコーナー立ち上がりのH席に足を運んで撮影することに。機材は今年も EOS KISS DIGITAL N と EF100-400mm/4.5-5.6 L IS。いつもどおりシャッター速度1/160、露出補正マイナス2/3でスタート。300～350㎜の望遠で手持ちの撮影です。
金曜午後は肌寒く、時折雨がぱらつくあいにくの天候だったものの、一転、予選・決勝は日差しが暖かく、これ以上ない観戦日和に。予選のスーパーラップのみピット上のホスピタリティブースから観戦したのですが、グランドスタンドＶ席は相変わらずの観客の多さ。
ピットウォークはもちろん、決勝日のヘアピン席も多くのカメラマンと家族連れで大賑わい。
GT-R復活レースのためか、はたまた20℃を上回った春の陽気に誘われてか、来場客数は土日合わせて5万人・・・スゴすぎます。
PM2:00、52周の決勝がスタート。
オープニングラップから、＃12 カルソニックGT-R セバスチャン・フィリップがS字進入でクラッシュ。場内実況のピエール北川氏の絶叫を聞いたヘアピン観客からは大きなため息が・・・。今季からインパルに移籍した松田次生とNISMO勢との後半の真剣バトルを期待していただけに、非常に残念な展開に・・・。
レース序盤は、ポールからスタートした＃22 MOTUL AUTECH ミハエル・クルムと＃23 XANAVI NISMO ブノワ・トレルイエがテールトゥノーズ。つかず離れずのつばぜり合いが延々と続き、相次いでチームメイトにバトンタッチ。本山哲駆る＃23 が、ヘアピン席の目の前！でアウトラップでスピードの上がらない＃22柳田を鮮やかにオーバーテイク！勢いあまったのか＃22は併走していたGT300ポルシェと接触。「ガンッ」という大きな音が生ではっきり聞こえました。
NISMO GT-R同士のバトルを制し、圧倒的な強さで＃23 XANAVI NISMO GT-Rがデビューウィンを飾ることに。
レクサス勢では＃36 PETORONAS TOM’S 脇阪寿一＆アンドレ・ロッテラー組が＃38 ZENT CERUMOを抑え、なんとか3位に。
一方でHONDA NSXは最上位が＃18 TAKATA童夢の7位と、厳しい結果に終わりました・・・。
GTの開幕戦は年に一度だけのイコールコンディション＆ノーハンデ戦。
無粋なウエイトやリストリクターに縛られることなく、マシン本来の力がぶつかり合う、真っ向勝負が見れる唯一のレースであるはずなのですが・・・どうも今回はいつもと様子が違っていた感じ。というのも、「速く走りすぎたら、いつも以上にウエイトを積むぞ」といった趣旨の性能調整予告とやらのせいで、各マシンが全力で走っていたわけではないらしいのです・・・。
シーズン後半ならまだしも、開幕戦から権謀渦巻く計算ずくのレースを見せられていたのだとしたら、非常に残念なことです。
異なるマシンの戦闘力を意図的に近づけて、接近戦になるように舞台が用意されてきたスーパーGTですから、ある程度の調整や操作は仕方ないことと割り切ってみるしかないのですが、そうしたさじ加減やチームの駆け引きが行き過ぎると、シリーズそのものが茶番になりかねません。
今回のGT-Rのデビューウィンは、 本山哲ファンの一人としてはこの上なく嬉しいことで、拍手喝采の気分なのですが、スーパーGTファンの一人としては、なんとなく手放しで喜べない・・そんな複雑な思いの残った開幕戦でした。
森木美和さん・水谷さくらさん・実はる那さん・松本麻実さん
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