フォーミュラニッポン 第3戦 富士スピードウェイ 2010.7.17-18
Mobil1 TEAM IMPUL J・P・オリベイラが独走で優勝を決めた雨のもてぎ戦から2ヶ月弱。薄れ行く前戦の記憶を手繰り寄せつつ、2010年 フォーミュラニッポン第3戦の舞台、富士スピードウェイに行ってきました。
今回の第3戦はレース距離がシーズン中で最も短い200km。タイヤ交換の義務付けはなく、おそらく全車ノーピットで44周を走りきるであろうスプリントバトル。加えて、今回の特徴は予選・決勝が共に日曜日に行なわれるというフォーミュラニッポンでは初の試みとなるワンデイレースであること。土曜日には午前45分＆午後60分のフリープラクティスだけが設けられ、予選と決勝のインターバルはわずかに4時間。チーム・エントラントのみなさんはいつもと勝手が違って大変そうに思えるのですが、見るほうからしてみれば、これはこれでありって感じ。これで土曜日の走行時間がプレシーズンテスト並みに長かったら言うことなしです。
土曜日。AM7：30、コスト削減のためなのか何なのか、東ゲート終日閉鎖のため西ゲートからサーキットに入場。まだまだ余裕のあるグランドスタンド最寄のP13駐車場に車を止め、お決まりのプリウスコーナーへ徒歩移動。気温は既に26℃。朝方上空を覆っていた暗灰色の雲が切れ始め、午前の練習走行が始まる頃には、正面から夏の日差しが降り注ぐ厳しいコンディションに。
レース開催の3日前に飛び込んできたのは、KONDO RACING復帰の嬉しいニュースです。ドライバーは今シーズンまさかのシート喪失の憂き目に会っていた2007-2008チャンピオン 松田次生！今回はシェイクダウンを兼ねて土曜日一日のみの走行だったのですが、松田はサイドポンツーンに「KONDO Racing Team」とだけ入った真っ黒なカーボンブラックのマシンをまずは慎重にドライブ。次戦もてぎでどんなカラーリングが披露されるのか。何はともあれタイトル争いを引っ掻き回すような活躍を期待したいところです。
例年4月の開催がなくなったため、今年初めてとなった富士スピードウェイでのフォーミュラニッポン公式セッション。トップタイムをマークしたのはTeam LeMans 石浦宏明。アンドレ・ロッテラー、ロイック・デュバル、小暮卓史が続きました。
シリーズパドックパス購入者特典のプログラム＆グッズを手に入れるべく、グランドスタンド裏のインフォメーションセンターへ。毎回ささやかな楽しみになっている今回の特典グッズはドライバーのサイン入り宣材写真でした。特設ステージで行なわれたドライバートークショーには井出・平中・オリベイラ・小暮・松田の5選手が登場。荒選手とハチロクでドリフト走行を楽しんでいることが暴露された小暮選手は、他の3人そっちのけで隣り合った松田選手と終始笑顔で雑談。トークショーの内容より二人の密談の方が気になって仕方がありません。トークショーに引き続き行なわれたのはドライバーとのフォトセッション。壇上から降りたドライバーとの記念撮影タイムは今までにありそうでなかった嬉しい企画でした。
小暮選手は自らが主催する「K＋ 外で遊ぼうプロジェクト」の一環として行なわれた、ストライダー（ペダルなしの子供用自転車）の体験乗車会にも登場。子供達に「乗り物に乗ることの魅力や、体を動かして遊ぶことの楽しさを味わってもらうため」に開催されたこの企画。ヘルメットを被った元気な子供達の走りを満足げに見つめつつ、汗を拭きながら笑顔でサインに応じてくれた小暮選手。ハーブの栽培から始まった「K＋」のプロジェクトが今後どんな風に展開していくのかはわかりませんが、アグレッシブな彼のコース上の走りとは対照的なこの謎めいた活動が魅力的であることは間違いありません。
PM13：50、青空の広がった午後の走行も再びプリウスコーナー斜面上から。丸太の並んだひな壇最上段に陣取り、EF100-400mmを目いっぱい伸ばして望遠端。シャッタースピード１/200、露出補正−1。コーナーを立ち上がるマシンを置きピン＆手持ちで狙いました。
松田次生と小暮卓史は相次いで仲良くプリウスコーナー目の前で、盛大に土埃を巻き上げてスピン＆コースアウト。上位10台が1秒以内に入る僅差の結果となったこのセッション。トップタイム1'26.888をマークしたのはPETRONAS TOM'S アンドレ・ロッテラー。ロイック・デュバル、小暮卓史がこれに続きました。
「わくわくトヨタ2010」併催の日曜日。東海地方が梅雨明けしたこの日も、朝から夏空の広がる絶好のレース日和に恵まれました。
AM7：00、P13駐車場は早くも満車。西ゲート近くのおなじみP14駐車場に車を止め、満員の場内シャトルバスに飛び乗ってグランドスタンド裏へ移動。ノックアウト予選は久しぶりにグランドスタンド2階席から。照りつける日差しを避けた観客で込み合う1コーナー寄りの最上段近くに陣取って、マシン撮影はひと休み。正面のサーキットビジョンを睨みつつ、ワンデイ開催の予選をじっくり楽しむことに。
ポールポジションを獲得したのは昨年のチャンピオン、DOCOMO DANDLION ロイック・デュバル。ただ一人25秒台となる1'25.999をマークし、本領発揮。チーム移籍後わずか3戦でポールを決めて見せるあたりは流石です。2番手にはMobil1 TEAM IMPUL 平手晃平。
期待のNAKAJIMA RACING 小暮卓史は3番手。Q2ではポールタイムを上回る1'25.841をマークしていながら、肝心のQ3では13コーナーでシフトミス・・・これにはガッカリ。どうにも流れに乗れません。以下、アンドレ・ロッテラー、石浦宏明、J・P・オリベイラが続く結果に終わりました。
この日の観客数は19,000人。往年のTOYOTA7とTS010が展示されたイベントスクエアはいつになく大盛況。トヨタ販売店がどれだけの無料招待券を配布したのかは分かりませんが、理由は何であれサーキットが活気付くのは喜ばしいことです。仮面ライダーダブルのショーが繰り広げられたステージ横ではFN09の解体ワークショップとエンジンサウンドショーが開催。FNモバイルサイトブースでは、前回のピットウォークで苦労して手に入れたドライバーズカード風の宣伝チラシを難なくコンプリート。TOYOTAエンジンパーツのオークションや懐かしのCARTピンバッヂ販売、平手晃平ファンクラブによる青森ねぶた風FN09山車展示など、いつものフォーミュラニッポンとは一味違った夏祭り気分満載のグラスタ裏でした。
コース上に陽炎が立ち上る灼熱のピットウォークで念願のNAKAJIMA RACING オリジナルチョコラボキットカットをゲットした後は、Bパドックの日陰に一時避難。初めて目にしたアクエリアス スパークリングを一気に飲み干し、ひと息ついたところで気合を入れてプリウスコーナーへ移動。強烈な日差しが容赦なく照りつけ、気温は31℃にまで上昇。熱中症対策のブロックアイスを持参しなかったのは大失敗。時折吹き抜ける風だけが唯一の救いです。
PM14：45、44周の決勝がスタート。ポールポジションスタートのロイック・デュバルがまさかのエンジンストール。ホールショットを奪ったのは2番手スタートの平手晃平。激しい先陣争いの最中、オープニングラップの1コーナーで小暮がロッテラーに追突。それを避けようとしたオリベイラがコースオフを喫しポジションダウン。
続くコカコーラコーナーで大嶋和也の先行を許した小暮は、2周目の同じコーナーでオリベイラにもかわされ、5番手に後退。オリベイラは6周目に大嶋を抜き去り、3位に浮上。前を行く2番手ロッテラーに迫るもオーバーテイクには至らず、接近バトルが20周以上にわたって繰り広げられることに。
平手は2番手ロッテラーに12秒以上の大差をつけ、磐石の走りで圧勝。2008年第5戦鈴鹿の第2レース「リバースグリッド優勝」以来のフォーミュラニッポン2勝目を見事に決めて見せました。以下、ロッテラー、オリベイラ、大嶋が続きTOYOTAエンジン搭載マシンがトップ4を独占。レース後に原因不明のパワーダウンが報じられたHONDAエンジン勢最上位の小暮は、らしくない走りで5位のままレースを終えました。
前戦のオリベイラに続き、今回はチームメイトの平手が他を寄せ付けない速さを見せつけたTEAM IMPUL。どうやら王者IMPUL復活は本物のようです。3戦を終えて3人の勝者が並び立った今年のフォーミュラニッポン。25ｐｔを獲得してポイントランキングトップに立つのはオリベイラ、5ｐｔ差でロッテラー、7pt差で小暮、8pt差で平手というトップ4の顔ぶれに。
パワステ導入前最後のレースとなる次戦もてぎは、今シーズンのタイトル争いの趨勢を決する大事な一戦になることは必至。果たしてどんな戦いが繰り広げられるのか、今から楽しみでなりません。
三樹レイカさん・佐野真彩さん・七瀬こまみさん・鴻上聖奈さん
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